シュミットカセグレン望遠鏡の長時間露光中における主鏡シフト例

M1(おうし座)
2010.11.04 4h02m 1204s×1 ISO1600 CANON KissX2-SEO Astronomik EOS Clip CLS Filter
Celestron C9.25 2350mm  
EM200AGS-1s赤道儀 BORG76+2倍エクステンダー+TGV-M+AGA-1オートガイド


通称カニ星雲ですが、横に流れています

改造KissX2に強力な光害カットフィルターを装着してから露光時間を延ばせば延ばすほど暗い天体が撮れるようになりましたので最近のデジタルと
異なり以前のフィルムのように10分〜30分間というような長時間露光をするようになりました。
当然オートガイドが必要なことからガイド鏡と鏡筒を堅固に固定できるピギーバック方式を採用して可動部分はイメージシフトだけにしましたので
C8では殆どガイドミスはありませんでした。


ところが鏡筒をC8からC9.25へサイズアップしてから上の画像のように流れるようになりました、それも100%です
20分露光で星2.5個分です、3分や5分では殆ど気づかない量ですが長時間だと確実に分かります


連続して撮影した20分露光5枚をトリミングせずに単純に重ねてモーションGIFにしてみました
2010.11.04 3h39m40s 1204s
2010.11.04 4h02m54s 1204s
2010.11.04 4h23m41s 1204s
2010.11.04 4h44m09s 1204s
2010.11.04 5h05m50s 1204s


悲しいことに、カニ星雲の動画が出来上がってしまいました(涙
これほど流れてもガイド鏡に写っているガイド星は十字線の真ん中で安定して追尾されています。

もしかするとタワミかもしれないと想定して全ての固定部分をガチガチにしめてイメージシフトさえもやめてみましたが
相変わらず流れてしまいました。富田式ミラーシフトロックを付けてみましたが流れは止まりません。

2倍バーローを付けて1800mmにしたビクセンの8cm屈折をピギーバック同架してみましたが流れを止めたり減らすことさえできませんでした

ただ、色々テストした中で唯一デュアルチップを登載するSBIG ST-2000XMで撮った画像だけが流れることがありませんでした。

オートガイドエラーの要素を考慮せずに検証するために、ガイド鏡をピギーバックしたC9.25を同時に地上の目標へ長時間向けてみたところ、ガイド鏡は
そのまま目標に向いているのに、C9.25だけが微妙にずれていくことが分かりました。
そうなのです、筒の中でミラーがシフトしていたのです、上の動画でも分かる通り2時間近くでもシフトし続けていました
ミラーシフトはピント合わせの時だけかと思っていましたが、そうでもないようです。

富田式ミラーシフトロックでは解決出来ないミラーシフトが原因だということが分かりましたので対処方法を検討したところ、C9.25を分解して
EdgeHDやLX200のように
ミラーセルに主鏡押しを付けるか、デュアルチップと同じ機能のオフアキシスガイド方式にするかでした。
この時期うまい具合にOAG9が入手することが出来ましたので早速利用してみたところ星が流れることは全くなくなりました。

現在ではガイド鏡もなくなりOAG9だけなので筒をC11に載せ替えてもオートガイド機器はそのまま利用出来ています

流れてない30分露光のM1(おうし座)
2013.11.02 1h47m 1807s×1 ISO1600 CANON KissX2-SEO Astronomik EOS Clip CLS Filter
Celestron C9.25 2350mm  
EM200AGS-1s赤道儀 OAG9+Lodestarオートガイド

現在のオートガイド成功率 ほぼ100%

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