FocusMax速攻マニュアル(2007/1/30版)少し高度な使い方追加 コントローラ共用追加
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FocusMaxをWindows Vistaでお使いになりたい方は「望遠鏡が欲しい2008年6月 3日」をご覧下さい

FocusMaxを使うときの基本的な考え方です

FocusMaxを使ってROBO-FOCUSでオートフォーカスするには、起動するのはFocusMaxだけです。

撮像ソフトのMaximDL(CCDSOFT)もROBO-FOCUSコントロールプログラムもFocusMaxが自分で立ち上げて制御します。
後で説明するFocusMaxのSystemタブでFocuserをROBO-FOCUSを指定、ImagingSWをMaximDLまたはCCDSOFTに選択しておくわけです 。
すなわちFocusMaxでオートフォーカスをしている時には撮像ソフトは星像を取り込む装置としてしか認識していないということです
したがって撮像ソフトではカメラの指定だけでFocuserの指定をしません
ピントが合った後は、FocusMaxの存在を忘れていつものように撮像ソフトで撮影を開始すればいいことになります。

撮像ソフトMaximDLやCCDSOFTからROBO-FOCUSを使う場合

撮像ソフトのFocuserにROBO-FOCUSを指定して、撮像ソフトから制御して使う方法もあります。
CCDSOFTの場合だと@FOCUSという内蔵のオートフォカス機能からFocusMaxと同じように冷却CCDとROBO-FOCUSを制御することも出来ます。
合焦位置を検出するロジックがそれぞれ異なります、FocusMaxは星像の明るさではなく星像が一番シャープになる位置を求めるというロジックになってるので個人的にはお勧めしたいと考えています。

ROBO−FOCUSモーターの取り付け

ニュートンでは合焦ノブにモーターを直結します        こんなの     GPE-R200SSさん    Londonさん
イプシロンでも合焦ノブにモーターを直結します        やまちゃん        utoさん
VISACでも合焦ノブにモーターを直結します       GPE-R200SSさん  Mr.Mike
屈折望遠鏡でも合焦ノブにモーターを直結します       メーテルさん   Sもとさん    バンコクの方   mactさん
ワイドフィールドではベルト経由です        あんなの   お気に入りの
シュミカセの取り付け例は                     メーカーさん   これとか
                                                 ↑フォーカスボルト抜け防止策
みなさん工夫して取り付けて下さいね   なお取り付け例の画像はスターライトカフェ画像掲示板より拝借させて頂いています

コントローラを接続して初期設定 
必ず合焦装置の焦点ロックも緩めたことをチェックしてください!

1.移動方向を確認します

コントローラーのIN/OUTボタンはラックアンドピニオンの場合はそのまま内向き/外向きと対応し、シュミカセのノブの場合には 
時計回り/反時計回りに対応しているように推奨されています。 
OUTボタンを0.5秒以上押して粗動させてどちらに動くかチェックしてみます。
もし内向き/時計回りに動くようなら、 コントローラーの電源をOFFにして10秒後にOUTボタンを押しながら電源をONにすると
ビープ音が5回して外向き/反時計回りに動き出します。この方向反転はコントローラーに記憶されます

2.ROBO-FOCUSにドローチューブの長さを覚えさせるため稼動範囲の設定(絶対位置)をします

移動範囲の登録作業ははコントローラーで行います。
まずOUTボタンを押し続けてドローチューブを一番外側に出します、出し切ったところでOUTボタンを離してからコントローラーの電源をOFFにします。
5秒ほどしてINボタンを押したまま電源をONにするとピーという音が鳴るのでINボタンを離すと、ピーという音が5回鳴ってドローチューブが自動的に内側に入っていきます。
これ以上内側に行く必要がないところでINボタンを1回押して止めます。
これでドローチューブの一番内側と外側を絶対位置2〜nnnnとして登録されソフトから参照や指定ができるようになります。

移動範囲なので極限でなくても自分でここからここまでと言う範囲を決めても構いません。

1台のコントローラを複数のモーターで共用するときにこの記憶された範囲設定情報が使えるのかは2台目のモーターが届いてから調べてみる予定でいます。

PCと接続してリモート操作する前の準備

1.FocusMaxをネット接続してインストール  (ダウンロードしたFocusMaxV3.2.1.msiは4.37MBありますので確認してくださいね
2.CCDSOFTが古いと動かないのでVer5.00.159にバージョンアップ
3.ASCOMプラットホームをインストール
  
ASCOMプラットホームをインストールするとROBO-FOCUSドライバーも入るので、ROBO-FOCUSのCD-ROMからソフトのインストールは不要。
4.RS232CシリアルポートのないノートPCの場合には
USB-シリアル変換アダプターを用意する
  私の場合はアーベル製SRC06−USBを使用
  なお、
USB-シリアル変換アダプターを付けた時には[マイコンピュータ]→[プロパティ]→[デバイスマネージャー]→[ポート(COM/LPT)]でシリアルポートのCOM番号を確認してお きます
5.FocusMaxは立ち上がると撮像ソフトを自動起動してカメラを接続するので、事前に撮像ソフトCCDSOFT/MaximDLを単独で起動して
  カメラ指定をしておく、なおFocuserの指定はしません。

PCとコントローラ接続を接続するときの注意

附属のPC接続用灰色ケーブルには方向はありませんのでコントローラの電源スイッチと反対側にPCと書かれているモジュラーに差し込みます。
コントローラにはモジュラー差込口が3箇所ありますので気を付けて下さい。

FocusMaxの起動
FocusMaxの起動する前にROBO-FOCUSの電源ON、カメラの電源ONをしておく

起動するとFocuserとの接続をしようとする(デフォルトはCOM1)
もしポート番号が合ってない場合はエラー表示をして撮像ソフトを起動しにいく
Focuserと接続エラーになっている場合はCONNECT Focuserボタンを押すとASCOMの選択画面が表示されるので次の2つの操作をする
1つ目はFocuserのCOMポート設定のため最下行のROBO-FOCUSコントロールプログラムを選択してPropatiesボタン押し
ROBO-FOCUSドライバーのConfig画面でCOMポートを指定 する
2つ目はASCOMのFocuser選択画面でROBO-FOCUSを選択してOKを押しFocusMaxの操作を開始する。
 

起動された後、撮像ソフトがフル画面だとFocusMaxやROBO-FOCUSコントロールが見にくいので下くらいにしておくと見やすいです
後述のVカーブを実行するとFocusMaxの左に表示されるので撮像ソフトの幅をもっと狭くしたほうがいいかもしれません

FocusMaxの初期操作

オートフォカスを行うには使用光学系ごとに合焦情報をプロファイルに登録してやる必要があります。
登録するには全く初めての方用にFist Light Wizardを使う方法が用意されていますが、慣れたら自分でVカーブを使う方が早いです。
まず最初に幾つか手作業が必要になります

1.ファインダーで天頂付近の適当な星(3〜5等)に向ける
2.FocusMaxを起動する、自動で撮像ソフトも起動され冷却CCDに接続がされるのでFocusモードで連続露出させる(ここで冷却を開始)
3.FocusMaxのJOGボタンを押しROBO-FOCUSコントロールを表示しIN/OUTボタンで大まかにピントを合わせる
  (ROBO-FOCUSのコントローラーのIN/OUTボタンを押してピント合わせをしてもいいです、ソフトからと同じ事です)
  このとき望遠鏡を動かし一番明るそうな星を視野中央付近におく
4 撮像ソフトのFocusモードの連続露出を停止する

FocusタブのFocusボタンを押すとPrifileデーターが全く登録されてない初回にはFist Light Wizardが立ち上がりますので
実行すると後は全て自動でPrifile登録までやってくれます

Fist Light Wizardがエラーになったり、ドローチューブがとんでもないところまで動いていくようなことがあればSTOPして以下のように
自分でVカーブを使って合焦情報の登録をおこないます。

では撮像ソフトで大まかにピントを合わせてFocusモードの連続露出を停止した状態から始めたとして説明します
1.FocusMaxのVCurveボタンを押しVカーブ窓を表示する
2.ROBO-FOCUSコントロールのPosition枠に現在のフォーカス位置が表示されているのでマウスで反転しコピーする
3.Vカーブ窓のCenter枠に貼り付ける
4.Step Incl枠に4〜6を入力、Steps枠が30〜50になるようにHalf Width枠を入力してRUNボタンを押してVカーブを実行する。
  Half Widthの値は光学系と合焦装置の種類に合わせた数値を設定する必要があります。
  2つ下のVカーブが表示されている画像を見ていただくとV字の左右の直線部分の傾斜を計測していることが分かると思います。
  ピントの鋭いニュートンだと狭くてもよく、屈折だと広い範囲になるでしょう、また合焦装置ごとに1Stepの移動量が異なりますので
  この傾斜部分が直線として認識される範囲までVカーブを実行する必要がある訳です。
  またStepsの数だけ露出計測して○がプロットされ直線部分の傾斜を計測されます。多くなると時間がかかります
  Stepsの数は直接入力できませんがSteps=Half Width×2÷Step Incとなります
  使用ソフトや器材によって時間は異なりますがむやみに多くしても無駄なので30〜40くらいになるようにStep Incで調節します
  例えばR200SSだとHalf Widthを100、Step Incを5にするとStepsは40になり約4分間くらいでVカーブを実行することが出来ます
なお適当なピッチと範囲で綺麗なVカーブが取得することが必要なのでStep Incを1にしたりしない方がよい

RUNボタンを押すと、後は自動でフルフレーム露出をして一番明るい星をみつけてビニングしたりしてあーだこーだしてVカーブを表示して
完了するとProfileを登録してくれます
画面の例ではsimulatorを使っているので左右対称なVカーブになっていますが、実際初めはもっと上の辺で非対称なUカーブになります
その時はUカーブの中央位置を見当にしてCenter値を入れ直して再度Vカーブを実行してみてください。

下のVカーブ画面の例では、
ドローチューブが内から外へ動くようになっていて
左の傾きは-0.193474、下線との交点は803.6  右の傾きは0.193230、下線との交点は796.6でその差は7.00ということが分かります
すなわち合焦位置は803.6-7.00÷2=800.1または796.6+7.00÷2=800.1になります
この合焦過程の情報が左のProfileに登録されます。

この情報のどれを使うかとか(Use)消去するとかができるわけです。
Yと指定された情報は平均化して使われますので、私の場合は3・4回Vカーブを実行するようにしています。
オートフォーカスではこの情報を使ってピントノブをいくつ回すとピントの前後位置になるかを予測するようです。

以上のようにVカーブを実行して合焦過程情報が登録されるとバーロやレデューサーを入れたりしてF値を変えない限り電源をOFFしても
再度実行する必要はありません。
あとは必要な方向へ向けFOCUSボタンを押すことにより視野内で一番明るい物を自動で見つけてAFが実行され最もシャープになる位置を
見つけてくれます。
ただ視野の中に惑星とかM42なんて恒星より明るい面積体があるときこれをターゲットにするのでいつまでたっても合焦しません
向ける前に恒星だけの場所でAFをしてピントを合わせておいた方がいいでしょう。
Findボタンは
視野内で一番明るい物を自動で見つけてターゲットとします
Exposeボタンは撮影してターゲットのHFD(像の鋭さ)とそのグラフを表示します
SelectボタンはMaximDLの場合だけ機能しターゲットを見つける範囲を指定することが出来ます

少し高度な使い方
さて、ここまでの説明でオートフォーカスとしての基本的な使い方はご理解いただけたと思います。
次は細かいピッチでピント合わせをするためROBO-FOCUSの設定値の変更方法を説明します。

ROBO-FOCUSはstepという単位で操作します、1stepはコントローラの赤ボタンを1回押すことと対応しています。
モーター自体はmicrostepという0.1度(物によっては0.2度のものもあるようです)を最小単位としています。
stepとmaicrostepの関係は後から出てくるStepSizeを使った step = microstep×StepSize で計算されます。
自分のモーターが0.1度なのか0.2度なのかは、何stepでモーター軸が一周するかを計測しその数にStepSizeを掛けると分かります
計算式は360÷(step×StepSize)です。
私の使っている2つのモーターではStepSize=4の時それぞれ450と912となり、計算すると0.2度と0.1度の物であることが分かりました。

FocusMaxのSystemタブを選択してSetupボタンを押すか、RoboFocus Control ProgramのConfigボタンを押して
RoboFocus Configurationウィンドウを表示します


MicrostepPauseとStepSizeを見て下さい、 購入したときのデフォルト値は両方が4になっていると思います。
先ほどに式から1step = 0.1度×4ということで0.4度ずつ(step)として動くように設定されている訳です。
R200SSに例えればコントローラの赤ボタンを1回押すかPCで1step移動を指示するとドローチューブは26/1000mm動くということです。

それでは1stepを0.1度ずつ動くように設定してみましょう
上のコンフィグ画面のStepSizeに1を入れてEnterキーを押せば良いはずですが、RoboFocus Controle Programのバージョンによっては、
入力してからGet Current Settingボタンを押して確認すると前の値のままになっている場合があるようです。
その場合は次の手順をやってみて下さい
1.SystemタブのDisconnectボタンを押して一旦PCとRoboFocusをソフト的に切り離す
2.コントローラーの電源スイッチをOFF
3.コントローラーの電源スイッチをON
4.SystemタブのConnectボタンを押して再接続してからコンフィグ画面を表示する
5.StepSizeに1を入れてEnterキーを押す
6.Get Current Settingボタンを押して確認する
このようにすれば変更した値がPCからコントローラに転送されるようです

これでコントローラの赤ボタンを1回押すかPCで1step移動を指示すると0.1度単位で動くようになりましたが
実はこれだけでは稼働範囲の設定をするときにモーターがガタガタと騒音をたてて動いたり途中で止まりかけたりする場合があるようです
私もその現象がありましたがMicrostepPauseを1にすることで正常に動作するようになりました。
MicrostepPauseの値を変更するときも入力出来ない場合がありますが上の手順だとうまくいくようです。
これでR200SSに例えればコントローラの赤ボタンを1回押すかPCで1step移動を指示すると直径35mmのピントノブを0.03mm回して
ドローチューブが7/1000mm動くようになります。

なおこの変更をすると前にした稼働範囲の設定は不整合になりますので、再度稼働範囲の設定をしなおしてください。
それと1stepに対する動きが1/4になりましたので上のVカーブで解説してきたHalf WidthとStep Incは4倍にした方がよろしいでしょう。

1台のコントローラを複数のモーターで使う場合
例えばR200SSと165mmF2.8カメラレンズのそれぞれにROBO-FOCUSモーターを取り付けて使う場合です。
コントローラーとモーターとが一対一の場合には、電源を切ってコントローラーを取り外しても稼働範囲はコントローラーに記憶されていますので、後日使い始める時に稼働範囲の設定やVカーブをする必要はなく即オートフォーカスを実行することが出来ますが、別々の機器に取り付けてあるモーターに1台のコントローラーを接続する場合は 起動時と終了時に特別な手続きをする必要がありますので説明します。

初回の起動時
Vカーブの結果(Profileデーター)はモーターごとに別々のファイルに記憶させるようにします。
またオートフォーカスを行う場合にはモーターごとに記憶されたVカーブの結果(Profileデーター)を呼び出しておいて実行します。
モーターごとの別々のファイルを指定するにはSystemタブをクリックし一番下のSysytemのところで選びます
例えばR200SSの時はR200SS.ini

例えば165mmF2.8カメラレンズの時は165mm.ini

というように自分でモーターごとのファイル名を付けて指定するとわかりやすくなります。


終了時

R200SSで上のようにPosition 200で終了するとき、終了前にConfigボタンを押してConfigurationウィンドウを表示します

左下のDisplay Focus Setup Listボタンを押してFocus Setup Listを表示します

適時な行をクリックして機器名と最大稼働範囲を入力してからSave Current Position in New Setupボタンを押すとPosition 200の値が登録されますのでCloseボタンを押したらFocusMaxを終了してかまいません。


次回以降の起動時
コントローラーには前回使ったモーターの稼働範囲と終了位置が記憶されていますので、別のモーターを使う場合にはそのモーターの稼働範囲を終了位置をコントローラーに戻してやる必要があります。
例えばR200SSで使ってから今度はワイドフィールドに繋げてFocusMaxを起動しConfiguを表示するとR200SSの終了時と同じ状態です


Display Focus Setup Listボタンを押してFocus Setup Listを表示し最大稼働範囲3400と終了位置2222を確認してから
ConfigurationウィンドウのEnter Max.Travel枠に3400、Enter Position枠に2222を手入力してやります。

そうするとRoboFocusControlのPosition枠も2222が表示されモーターに合ったコントローラーとなります。


次は165mmF2.8カメラレンズ用Vカーブの結果(Profileデーター)を使うようにFocusMaxのSystemタブをクリックし一番下のSysytemのところで165mm.iniを使うよう指定します。


これでモーターに合わせた状態になりましたのでオートフォーカスが可能になりました。
終了時の注意事項です
必ず終了時の位置をFocus Setup Listに登録してからコントローラーを取り外すようにして下さい。


速攻で作ったマニュアルです、問題がなければとりあえず使えると思います。
後はボツボツと整備していこうと考えています。
もし分かんないと言う方がいらっしゃいましたらメールを下さい、そんなに詳しくないですが手伝えるかもしれません

なおこのページに直リンクすることはOKです、承諾のメールも必要ありません。
ただし実際に使用して書いてはいますが、内容について保証してないことを申し添えておきます。

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