Hnsky実用マニュアル (2006/1 1/ 24版)  presented by 「黒ひげの星空探訪ブログ」  「黒ひげの星空探訪」 

フリーの星図ソフトHnskyは非常に高機能でかつ便利な機能を備えています。
ソフトの日本語化を行いましたが、まだこの高機能が知られてないので紹介しようと思います。
これからインストールしようとされる方は「
Hnsky速攻マニュアル」を見て下さい。

紹介する機能については順次追加していきます
1.DSS (Digitized Sky Survey) という画像データベースから写真をダウンロードして自動表示できる
1−1.
保存されたFITS画像を星図上にLoadすることが出来る
2.天体の確認に使えるかも?    UPDATE
3.多彩な天体表示が出来る
4.撮影の計画に使う      
NEW
5.自分で撮影した画像をHnskyに貼り付けることが出来る
6.赤経・赤緯付きのFits画像を公開出来る
 (お勧め天体を
Yahooのブリーフケースのfitsフォルダに公開しました。
 
Hnskyのfitsフォルダーにダウンロードして、「ファイル」→Load FITS imageで開くとHnsky星図に画像が表示されます。)


1.DSS (Digitized Sky Survey) という画像データベースから写真をダウンロードして自動表示できる
一角獣座のコーン星雲(一般的にはNGC2264と言われています)を撮影したいと思ってNGC2264を自動導入して撮影すると
なぜか北にずれてしまったという経験がありませんか
実は
NGC2264コーン星雲の北隣にある散光星雲のことでコーン星雲自体にはカタログ番号がついていないのです。
(もし間違えていたらゴメンなさい)
 
まず「検索」メニューでngc2264を入力し[検索]ボタンを押してNGC2264を表示してみます。
表示が小さい時は、マウスを左ボタンを押しながら動かし拡大したい範囲を矩形で囲むと拡大されます、
「拡大」メニューまたは+虫メガネアイコンを押すと画面中央が基準に拡大されていきます。

視点を移動させるには、カーソルを画面の端に持っていくと矢印に変わるので左ボタンを押すことにより上下左右に移動します、
また画面上でマウスの右ボタンを押すとそこが画面中央に移動されます。

NGC2264の少し南(下)を右ボタンでクリックしてNGC2264を上にずらしてみました
small版ではSAO星表しかはいっていませんが
これはLarge版のヒッパルコス・ティコ星表を表示したものです。
 
画面左のメニューバーの下から2番目のカメラアイコンを押すと、fitsフォルダーに収録されている画像が表示されます
Hnskyをインストールした時点で有名な天体は
fitsフォルダーに収録済なのでNGC2264やNGC2261(ハッブル変光星雲)
の画像が表示されてきますが、コーン星雲は影もありません。
 
それではDSS (Digitized Sky Survey)から写真をダウンロードしてみましょう。
ダウンロードする写真は画面中央が基準で大きさは画面の上下左右1/3(面積1/9)の範囲です
広すぎる範囲だとエラーになったり、ダウンロードに時間が掛かったり表示に時間がかかるので
必要最小限にした方がいいですね。
私の場合、このときフル画面はやめて画面北指定もやめています。
画面左のメニューバーの1番下のDSSアイコンを押すと自動的にarcaive.eso.orgというDSSデータベースに
繋がりファイルのダウンロードが始まります。
 
「保存」ボタンを押しfitsフォルダーに保存します。
fitsフォルダーの場所が判らないときは、「ファイル」→「環境設定」→「設定タグ」の右下のDSS FITSファイル設定に
現在使われているfitsフォルダーの場所が登録されていますのでみて下さい。
ファイル名はdss[1]+赤経+赤緯+.fitsというように付けられているので、使い易いように変えたほうがいいでしょう。
私はdss_天体名にしています、今回のコーン星雲ではdss_NGC2264corn.fitsとつけてみました。
 
「保存」ボタンを押すとダウンロードが始まります。
fitsファイルはjpgとは異なり圧縮されないので小さな範囲でも以外と大容量になります。
そのためダウンロードに時間が掛かったり表示に時間がかかるので必要最小限にした方がいいわけです。
また容量が大きいのでADSL等のブロードバンドでないと実用にならないと思います。
 
ダウンロードが終了すると下のように写真が表示されますが、以外と表示に時間が掛かったと思います。
 
コーン星雲の場所が分かりましたので、必要最小限範囲の写真にしてみましょう
コーン星雲が画面の1/3になるように拡大してからDSSボタンを押します。
 
保存する名前は、前回と同じにします。
 
上書き保存をします。
 
前回は範囲が広かったので3.37MBでしたが、今回は狭いので329KBしかなく短時間でダウンロードしてきます。
 
このように必要最小限のコーン星雲の写真が表示保存されました。
 
カーソル位置が画面に表示されています(方位文字の下 6h39.8m +9°03')、コーン星雲と重ねると位置が分かります
この赤経、赤緯で自動導入して撮影すればバッチリ真ん中にコーン星雲が撮れる訳です。

 

 
1−1.保存されたFITS画像を星図上にLoadすることが出来る
「ファイル」メニューの[Load FITS image]をクリックするとFitsフォルダーの内容が表示されます。
表示したい天体を選択して開くことにより自動的にその天体を中心に視野移動してクローズアップ表示されます。
いちいち「検索」メニューを使わなくてもよくて便利です。

 


2.天体の確認に使えるかも?
下の左画像は2004年6月13日0h17mJSTに20cmシュミットにTGV-Mを付けて撮った冥王星です。
右は私が日本語化したCielのオンラインリソース機能を使ってGSC2.2星表を表示したものです。
このとき冥王星は13.8等でした。
こちらは日付を2004年6月13日0h17mJSTに変更し、冥王星を検索してからDSSから写真をダウンロードしたものです
こんどは、彗星の同定に使ってみました。
2003年10月19日22h20mJSTに
20cmシュミットにTGV-Mを付けて撮ったC/2002T7リニア彗星です。
このときは11.4等の明るさでした、右の星図は
SkyViewerというフリーソフトでGSC-ACT星表を表示したものです。
http://cfa-www.harvard.edu/iau/Ephemerides/Comets/Soft06Cmt.txtから最新の彗星軌道要素を表示し、
すべてコピー「ファイル」→「彗星の起動要素の編集」の4P/Faye以降に上書き貼り付けした後に「ファイル」→「保存」で
Hnskyがインストールされているフォルダにあるhns_com1.cmtに上書きすることにより彗星が表示できます。
ただし
検索メニューで彗星ボタンを押すと名前のABC順で表示されてきます、Comet fileの登録順とは異なるので
勘違いしてしまうことがありますので注意して下さい。


日付を2003年10月19日22h20mJSTに変更してC/2002T7(LINEAR)を検索してからDSSをダウンロードしてみました。
撮影当時の暫定軌道ではほとんど一致していてすぐに確認する事ができましたが、残念なことに紹介を書くために
ダウンロードした最新の起動要素は近日点通過後なので通過前を表示するとずれてしまってます。
DSSの良いところは星図とは違い実際の写真であるところです。

 


3.多彩な天体表示が出来る
ペルセウス座の二重星団を例に説明してみます
まず「検索」メニューでngc884を入力し中央とAutoZoomにチェックをして[検索]ボタンを押してみて下さい。
NGC884とNGC869は東西に並んでいますので画面では左右に並んで表示されます、もし傾いているようなら
「表示設定」メニューの上から4番目の[上を常に北にする]にチェックを入れてください。
星が少なくて寂しいですね、これは10等星までを収録したSAO星表を使って表示されているからです。
 
HnskyのLarge basic package HNSKY230_large.EXEにはヒッパルコス・ティコ星表が収録されていますので
「天体」メニューでSAOからTYCに切り替えて見ましょう
各項目の文字または枠にマウスをしばらく止めてみて下さい、項目の説明が表示されます。
 
GSC星表は画面左のメニューバーのGSアイコンを押すか、天体メニューでGSCを有効にすれば表示されます。
 
fitsフォルダーに収録されている写真は、画面左のメニューバーのカメラアイコンを押すと表示されます。
 
 

4.撮影の計画に使う
例えばカシオペア座の大型散光星雲IC1805とIC1848の両方を撮る場合で説明します。
Hnskyで下のように両方の星雲の画像を表示して場所の確認をしておきます。
 
神保徹さんのホームページCCD画角計算を使用して撮影出来る画角を求めます。
使用するカメラ(例ではST-2000XM)を選択しレンズ(例では165mm、口径は適当)を入れEnterをクリックします
下の例では水平方向4°5.7′(245.7′)垂直方向3°5.3′(185.3′)と計算されますのでメモしておきましょう。
 
Hnskyの「ファイル」→「環境設定」の左下に視野枠の設定があります、そこに先にメモした画角を入力し保存を押します。
 
視野枠は、「表示設定」の道具箱サブメニューの視野枠の表示にチェックを入れることで表示されます。
カーソルを動かすと視野枠も付いて動きます、下のように165mmだと2つ同時に撮るのは無理みたいですね。
 
今度は少し短めの105mmでCCDの画角計算をしてみましょう
水平方向6°25.9′(382.9′)垂直方向4°51.2′(291.2′)と計算されますので視野枠の設定に入力すると下のように
2つが同時に入る事が確認できました。また望遠鏡も赤経2h43.3m 赤緯+60°55′に向ければいいことも分かります。
 

速攻で作った機能紹介です、問題がなければとりあえず使えると思います。
後はボツボツと整備していこうと考えています。
もし分かんないと言う方がいらっしゃいましたらメールを下さい、そんなに詳しくないですが手伝えるかもしれません

Hnsky本体はHan Kleijn氏のHPからダウンロードしてください、Large basic package HNSKY230_large.EXEがお勧めです。
Large basic packageには日本語化ファイルも入ってますが最新はこちらにあります、インストールマニュアルもありますのでぜひどうぞ
CD-ROM2枚分のGSC-ACT星表をHnskyやCielで使用可能なbinary化して250MBにしたものをこちらに用意しました
ダウンロードし易く1〜3MBのzipファイルにしていますのでぜひ落として利用して下さい。

なおこのページに直リンクすることはOKです、承諾のメールも必要ないです。
ただし実際に使用して書いてはいますが、内容について保証してないことを申し添えておきます。

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